「グリーンに乗ったら、どこを歩けばいいんだろう…」
ゴルフを始めたばかりの頃、こんな不安を感じたことはありませんか?フェアウェイを歩いているときはまだいいけれど、グリーンに上がった瞬間、急に自分がどう動けばいいのかわからなくなる——そんな経験をした初心者の方は、本当にたくさんいます。
グリーンはゴルフコースの中で最も繊細な場所であり、同時にマナーが最も問われる場所でもあります。知らずにやってしまったNG行動が、同伴者の印象を大きく左右することもあります。
私はキャディ歴11年のあいだ、数えきれないほどの初心者の方をコースでサポートしてきました。グリーン上で困ったり、気まずい雰囲気になったりする場面を間近で見続けてきたからこそ、「これだけは知っておいてほしい」というポイントがあります。
この記事では、初心者がグリーン上でやってしまいがちな3つのNG行動と、その対処法をお伝えします。難しいことは一つもありません。知っているだけで、グリーンはぐっとラクになりますよ。
NG行動①:他のプレーヤーのパットラインを踏んでしまう
グリーン上で最も多い初心者のミスが、これです。
「パットライン」とは、ボールからカップまでの仮想の線のこと。この線の上を踏んでしまうと、芝が押しつぶされてボールの転がり方が微妙に変わり、相手のパットに悪影響が出ることがあります。上級者になるほど、ラインのわずかな芝の変化にも敏感になるため、これは大変気にされる行為です。
私がキャディをしていた頃、初心者のお客様がどこを歩けばいいかわからず、同伴の上級者のパットラインをズカズカと踏んでしまった場面がありました。その場は笑って済みましたが、上級者の方の表情がわずかに曇ったのを今でも覚えています。本人はまったく悪気がない。ただ「知らなかった」だけなんです。
「他の人のボールとカップを結ぶ線を、自分の足で踏まない」——この一点を意識するだけで、同伴者からの印象はがらりと変わります。
今日からできること
グリーンに上がったら、まず全員のボールとカップの位置を確認し、それぞれのパットラインをざっとイメージしてから動くようにしましょう。どうしてもラインの上を通らなければならない場合は、大きく迂回するか、「ライン上を通ってもいいですか?」と一声かけてから跨ぐのが礼儀です。またカップ周辺(1メートル程度)は芝が傷みやすいため、なるべく踏まないよう意識してみてください。
NG行動②:ボールマークを直さずにグリーンを去る
グリーンにボールが高い弾道で落ちると、芝に小さなへこみができます。これを「ボールマーク(ピッチマーク)」と呼びます。このへこみを放置してしまう初心者の方が、非常に多いです。
ボールマークを放置すると、後続のプレーヤーのパットに影響が出るだけでなく、芝が回復するのに数週間かかることもあります。ゴルフ場のグリーンキーパーさんたちは、毎朝早くからグリーンを丁寧に整備しています。そのご苦労を思えば、ボールマークを直すのはプレーヤーとしての最低限のマナーと言えます。
私自身も、ゴルフを始めたばかりの頃は「ボールマーク?何それ?」という状態でした。でも、キャディの仕事を通じてコースがどれほど手間をかけて管理されているかを知り、以来、自分のボールマークだけでなく、近くにある他のマークも直すようにしています。
ボールマークを直すのは、コースへの敬意であり、後続のゴルファーへの思いやりです。
今日からできること
グリーンフォーク(ディボットツール)を1本、ラウンド前にポケットに入れておきましょう。100円ショップでも手に入る小道具です。使い方は簡単で、ボールマークの縁に4〜5か所フォークを刺し、外側から中心に向けて芝を寄せるように起こします。最後にパターの底で軽く押さえれば完了。慣れれば10秒もかかりません。やり方がわからなければ、キャディや同伴者に「教えてください」と聞くのが一番です。
NG行動③:クラブをグリーン上で引きずる・乱暴に置く
グリーンの芝は、ゴルフ場で最も繊細で、最も手間をかけて管理されている部分のひとつです。コースによっては、1ホールのグリーンを整備するだけで、毎日かなりの時間と労力がかかっています。
クラブをグリーン上で引きずったり、乱暴に置いたりすると、芝に傷がつきます。傷がついた場所はボールの転がりに影響し、後続のプレーヤーにも迷惑がかかります。
キャディ時代、あるお客様がアプローチショットの後、ウェッジをそのままグリーンに「ガン」と置いた場面を目撃しました。本人はまったく無意識でしたが、同伴者の方がそっと眉をひそめていたのを今でも覚えています。意識していないだけで、グリーン上の所作は意外と見られているものです。
今日からできること
グリーンに上がるときに持ち込むクラブは、パターと必要最小限にとどめましょう。グリーン上を移動するときはクラブを手に持つか、グリーンの外縁(フリンジ)に丁寧に置くようにします。置くときは「そっと」が基本。グリーン上でのクラブの扱いひとつで、一緒に回るメンバーへの印象がぐっとよくなります。
まとめ:グリーンマナーは「思いやり」の集大成
今回ご紹介した3つのNG行動をおさらいします。
- 他のプレーヤーのパットラインを踏まない
- 自分のボールマークは必ず直す
- クラブをグリーン上で引きずらない・乱暴に置かない
グリーン上のマナーは難しそうに見えて、根本にあるのはシンプルな「同伴者とコースへの思いやり」です。すべてを一度に完璧にする必要はありません。今日から一つずつ意識してみてください。
キャディ歴11年の経験から言えるのは、「マナーのいいゴルファーは、スコアに関係なく誰からも好かれる」ということです。初心者だからこそ、最初から正しい習慣を身につけておくと、コースデビュー後がずっとラクになりますよ。
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