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ゴルフのドロップ方法|元キャディが教える3つの間違い

「OBじゃないけど、このボール、どうすればいいの?」
カート道の上、修理地の中、池のそば——ラウンド中にボールが困った場所に止まったとき、同伴者に「ドロップして」と言われても、どこに、どうやって落とせばいいのか分からず固まってしまった経験はありませんか。周りを待たせている焦りもあって、とりあえず適当にポトンと落として、あとで「それ、違うよ」と言われる。初心者の方なら、誰もが一度は通る道です。

私はキャディとして11年間コースに立ち、今も現役でラウンドしていますが、ドロップは「ルールを知らないまま何となくやってしまう処置」の代表格です。この記事では、私が現場で実際に何度も目撃してきた「よくある間違い3つ」と、その正しいやり方をまとめました。

ドロップは難しい処置ではありません。「高さ・場所・範囲」の3つさえ押さえれば、誰でも堂々とできます。

ドロップで迷う本当の理由は「ルールが変わったのを知らない」から

実は、ドロップのルールは2019年に大きく変わりました。それまでは「肩の高さから落とす」だったものが、今は「膝の高さから落とす」に変更されています。また、落とす範囲も「救済エリア」という明確な考え方が導入されました。

ところが、初心者の方が教わる相手は、多くの場合ゴルフ歴の長い先輩や上司です。その方たちの頭の中には昔のルールが残っていることが多く、結果として「肩から落として」「もう一回落として」と古い処置を教わってしまうケースが本当に多いのです。

私がキャディをしていたとき、40代の常連のお客様がご自身の部下に「ドロップは肩からだよ」と丁寧に教えている場面に何度も出会いました。そのたびにさりげなく「今は膝の高さからで大丈夫ですよ」とお伝えしていましたが、教える側が古いままだと、初心者の方は「正しく教わったつもりで間違える」ことになります。

あなたが迷うのは、あなたの勉強不足ではなく、周りの情報が古いだけかもしれません。

間違い1:肩の高さから落としている

いちばん多い間違いがこれです。現在のルールでは、ドロップは膝の高さから、ボールを持った手を離して真下に落とします。膝の高さというのは「立った状態の膝の位置」のこと。しゃがんで膝を低くする必要はありません。

肩の高さから落とすと、ボールが弾んで救済エリアの外に転がりやすく、余計なやり直しが増えます。膝の高さになったのは、まさにその手間を減らすためです。逆に、地面すれすれで「置く」ように落とすのもNGで、その場合はドロップとして成立せず、やり直しになります。

私自身も現役でラウンドしていて、久しぶりに一緒に回った知人が肩からドロップして、ボールがカート道に跳ね返っていくのを見たことがあります。本人は真面目にやっているぶん、間違いを指摘されると恥ずかしそうにしていました。だからこそ、最初に正しい高さを覚えておくことが大切です。

今日からできること:練習場で「膝ドロップ」を3回やってみる

打席の横で、立ったまま膝の高さからボールを落とす動作を3回やってみてください。腕を自然に下ろした位置より少し上、というくらいの感覚です。体で一度覚えてしまえば、コースで迷うことはなくなります。

間違い2:ホールに近づく場所に落としている

2つ目は「場所」の間違いです。ドロップは、基準となる地点(ボールがあった場所や、救済を受けるための最も近い地点)からホールに近づかないことが絶対条件です。これは昔から変わっていない原則ですが、初心者の方は「打ちやすい場所」を優先して、無意識にグリーン側へボールを落としてしまいがちです。

キャディ時代、カート道からの救済で「こっちのほうが打ちやすいから」と、明らかにピン方向へ2〜3歩進んだ場所にドロップする方を何度も見ました。悪気はまったくないのですが、同伴者から見ると「ずるをした」ように映ってしまうのが怖いところです。ゴルフは審判のいないスポーツなので、こうした小さな処置が信頼に直結します。

ドロップの場所は「打ちやすいところ」ではなく「ルールで決まったところ」です。

今日からできること:まず「ホールはどっち?」を確認する癖をつける

ドロップの前に、ピンの方向を一度見てから、基準点より手前側にクラブを置いてみましょう。クラブを目印にすれば、ホールに近づいていないかが一目で分かります。同伴者にも「ここで大丈夫ですか?」と一言添えると、お互いに気持ちよくプレーできますよ。

間違い3:救済エリアの範囲を知らずに何度もやり直している

3つ目は「範囲」です。ドロップしたボールは、基準点から1クラブレングス(罰なしの救済)または2クラブレングス(ペナルティエリアやアンプレヤブルなど1罰打の救済)の範囲=救済エリアの中に止まらなければいけません。計測に使うクラブは、パター以外で自分のバッグの中で最も長いクラブ(通常はドライバー)です。

この範囲を知らないと、「ボールが少し転がった=やり直し」と思い込んで何度も落とし直してしまい、後ろの組を待たせることになります。逆に、範囲外に転がったのに気づかず打ってしまうと、誤所からのプレーとして罰打がついてしまいます。

正しくは、1回目のドロップで範囲外に出たら2回目をドロップ、2回目も出たら「2回目に落ちた地点にプレース(置く)」します。つまり、ドロップは最大2回で終わりです。これを知っているだけで、処置がとても速くなります。

私が担当した組で、ペナルティエリアからの救済で4回も5回もドロップし直している方がいました。後ろの組が待っているのが分かって、本人もどんどん焦ってしまって……。「2回落として止まらなければ置いていいんですよ」とお伝えすると、「そうなんですか!」と一気に肩の力が抜けていたのが印象的でした。

ドロップは2回まで。3回目は落とさずに「置く」。これだけでスロープレーの不安が消えます。

今日からできること:ドライバーを「ものさし」として使う

救済を受けるときは、ドライバーを地面に置いて範囲の目印にしましょう。ティーを2本刺して範囲を示すのも分かりやすい方法です。範囲が目に見えると、「ここに止まればOK」と安心してドロップできます。

まとめ:正しいドロップは「膝・手前・2回まで」

ドロップで迷わないためのポイントは、①膝の高さから落とす、②ホールに近づかない、③救済エリア(1または2クラブレングス)に2回落として止まらなければプレース——この3つだけです。ルールが変わったことを知らない方はまだ多いので、あなたが正しい処置を知っていれば、それだけで同伴者からの信頼が上がります。

ドロップは「ミスをした後の処置」だからこそ、堂々とできると気持ちの切り替えも早くなります。ミスの後に落ち込むのではなく、「よし、正しく処置して次を打とう」と前を向けるゴルファーになってくださいね。

「この状況ではどこにドロップすればいいの?」「救済のルールをもっと詳しく知りたい」——そんな方は、お気軽にご相談ください。元キャディの目線で、具体的にお答えします。

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