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ゴルフ場のコース管理|元キャディが見た芝を守る仕事


ゴルフ場に着いて、朝イチのグリーンを見て「きれいだなあ」と思ったことはありませんか。

実はあの緑、自然にそこにあるものではありません。毎朝、誰かの手でつくり直されています。

私はキャディを11年やってきました。お客様の後ろを歩きながら、コースを守る人たちの仕事を、ずっとそばで見てきた立場です。今日はその舞台裏を、プレーヤー目線でお話しします。

プレーヤーが来る前、コースはもう動いている

ゴルフ場の仕事は、朝が早い。

キャディの私も6時台の早出は普通でしたが、コース管理の人たちはもっと早くから動いています。

まだ薄暗いうちからコースの方で作業の音が聞こえてきて、クラブハウスのあたりには芝を刈ったあとの、あの青い匂いがふわっと漂ってくる。私にとっては「ゴルフ場の朝の匂い」そのものでした。

トップスタート(その日の一番最初の組)でコースに出ると、数ホール先でまだ作業しているコース管理の姿が見えることもあります。お客様が来る前に終わらせようと、急ピッチで仕上げている。その背中を、私は11年間ずっと見てきました。

ここで、ちょっと恥ずかしい話をひとつ。

私は休みの日に自分がプレーするときも、トップスタートで回してもらうことが多かったんです。前に誰もいないからスイスイ進む。気持ちいい。……のですが、速すぎて前を行くコース管理の作業に追いついてしまい、何度も注意されたことがあります(笑)

後ろからプレーヤーが迫ってくると、作業を急かされているようで、管理さんとしては本当に困るんですよね。いつもごめんなさいでした。

でも、だからこそ知っています。あの美しいグリーンもフェアウェイも、毎朝、誰かが時間と戦いながらつくっているものなんだということを。

芝は「生えている」のではなく「育てられている」

専門的なことは、正直に言うと私にも分かりません。でも、その大変さだけは毎日そばで見ていました。驚いたことを3つだけ紹介します。

グリーンの刈り高は、ミリ単位です。 髪の毛を毎朝ミリ単位で切りそろえるようなもの、と言えば伝わるでしょうか。数ミリ違うだけでボールの転がりが変わるので、それを毎日同じ高さにそろえています。

目土(めつち)は、芝の”手当て”です。 傷んだ場所に砂をまいて、芝が回復するのを助ける作業。私たちがプレー中につけてしまったディボット(芝がめくれた跡)も、こうして少しずつ直されています。

エアレーションは、芝の根に呼吸をさせる作業です。 グリーンに細かい穴をたくさん開けて、根に空気と水を届ける。地味ですが、芝が元気に育つためには欠かせない工程だそうです。

あの穴だらけのグリーン、実は…

エアレーションの直後、グリーンが穴ぼこだらけになる時期があります。

「なんだこのグリーン、ボールが真っすぐ転がらないぞ」と、フロントや私に口をとがらせるお客様を、キャディ時代に何度も見てきました。お気持ちは、よく分かります。

でもあれ、荒れているのではなくて、芝が健康でいるための”治療中”なんです。穴が塞がって根が元気になれば、また転がりのいいグリーンに戻ります。もし次に穴だらけのグリーンに当たったら、「今、手入れの最中なんだな」と思ってもらえたら嬉しいです。

だから、あのマナーには意味がある

ここまで読んでくださって、少し見え方が変わってきていませんか。

ボールマークを直す。目土をする。グリーン上で足を引きずらない。こうしたマナーは「ルールだから守るもの」と思われがちです。

でも私は、少し違うとらえ方をしています。毎朝ミリ単位で芝を整えてくれた人への、感謝の返し方だと思うんです。

自分がつけた傷を自分で直して、次に回る人へきれいなコースを渡す。それは管理さんの仕事を、プレーヤーみんなで少しだけ手伝っているのと同じことです。ルールと思うと窮屈ですが、感謝と思うと、ふっと肩の力が抜けませんか。

グリーン上での具体的なやり方は、別の記事でまとめています。あわせて読んでみてください。

👉 グリーン上でしてはいけないこと5選(内部リンク)

キャディだった私が今、プレーヤーとしてやっていること

偉そうなことを言える立場ではないので、「私はこうしてる」という話として、2つだけ。

ひとつは、自分のボールマークにプラスして、もう1つ直すこと。近くに誰かが直し忘れた跡があれば、ついでに直します。1組で1つずつ増えれば、グリーンはずいぶんきれいに保たれます。専用のグリーンフォーク(ボールマークを直す道具)を1本ポケットに入れておくだけで、無理なく続けられます。

もうひとつは、カートの乗り入れに気をつけること。乗り入れOKのコースでも、ロープやカート道の案内は守ります。芝が弱っている場所にタイヤの跡がつくと、回復に時間がかかってしまうからです。あれだけ手をかけている芝だと知ってしまったら、うっかり踏み荒らすのが少し怖くなりました。

ちなみに、フェアウェイのディボット跡に砂をまくための携帯用の目土袋を持っておくと、自分でつけた傷をその場で手当てできます。カートに常備されていないコースもあるので、ひとつ持っておくと安心です。

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まとめ:マナーは、コースへの感謝の表現

ゴルフのマナーは、堅苦しいルールブックではありません。

夜明け前から芝と向き合い、私たちが気持ちよくプレーできるようにコースを整えてくれる人がいる。その人たちへの「ありがとう」を、ボールマーク直しや目土という形で返しているだけです。

そう思えたら、マナーはきっと、少しやさしいものに変わります。次のラウンドで、朝のグリーンを見たときに、その裏側にいる人のことをちょっとだけ思い出してもらえたら嬉しいです。

コースデビューを控えている方は、こちらの記事もどうぞ。

👉 初めてのコースデビュー完全ガイド(内部リンク)
👉 グリーン上でしてはいけないこと5選(内部リンク)

ゴルフのルールやマナー、コースでの過ごし方など、気になることがあればキャディ歴11年の経験からお答えします。お気軽にご相談くださいね。

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