「ラウンド中、後ろの組にプレッシャーをかけられている気がして、焦れば焦るほど余計に遅くなる…」
ゴルフを始めたばかりの頃、こんな経験をしたことはありませんか?自分のプレーが遅いことはわかっているけれど、何をどうすれば早くなるのかがわからない。そんな悩みを抱えるゴルファーはとても多いです。
実は、スロープレーの多くは「経験不足」ではなく、「事前の準備不足」と「優先順位のズレ」から生まれています。
私はキャディ歴11年で、これまで数えきれないほどのラウンドに同行してきました。その経験から断言できることがあります。スロープレーには必ず”パターン”があり、知っていれば誰でも改善できるのです。
今回は、私が現場で実際に見てきたスロープレーの原因と、今日からすぐに実践できる改善法をお伝えします。
スロープレーの本質は「自分の番が来てから考え始めること」
スロープレーと聞くと「体の動きが遅い」「迷いすぎる」というイメージがありますが、実はそれだけではありません。
根本的な問題は、「自分の番が来てから考え始めている」こと。ゴルフは前の人が打っている間に、次のショットの準備を進めておくことができます。この「準備の習慣」があるかないかで、ラウンドの速さは大きく変わります。
キャディの仕事をしていて感じたのは、スロープレーの方のほとんどが「悪意がない」ということ。ただ、コースの流れやマナーを知らないだけなのです。だからこそ、知識を持つことが一番の改善策になります。
①クラブ選びに時間をかけすぎる
以前、あるラウンドで「このクラブかな…いや、こっちかな…」と5分近くクラブを迷っているお客様がいました。前の組との距離はどんどん開き、後ろの組はグリーン上で待機。コース全体の流れが止まってしまいました。
初心者のうちは、クラブの飛距離が毎回違うため選択が難しいのは当然です。しかし、完璧なクラブを選ぼうとするより、「大体これくらい」という判断を素早くすることの方がコース上では重要です。
迷うなら、飛びすぎると思うクラブを選ぶ。それだけでプレーは速くなります。
今日からできること
- 自分の「各クラブの平均飛距離」をスマホのメモに書いておき、現地でサッと確認できるようにする
- 打つ前に2択まで絞っておき、自分の番が来たら即決する
- 「ベストな1打」より「早い1打」を優先する意識を持つ
②ボールを探しすぎる
ゴルフ規則では、紛失球の捜索時間は3分と定められています。これはプロの試合でも、初心者のラウンドでも同じルールです。
しかし実際には、10分近くボールを探し続けてしまう初心者の方を何度も見てきました。見つからないボールに時間をかけるよりも、早めに「暫定球」を打っておくことが、コース全体の進行を守るマナーです。
私自身も、元ゴルフ場職員として「お客様に早くプレーしてほしい」と感じた場面は数えきれません。ただ、言い方を間違えるとお客様を傷つけてしまうので、言葉を選びながら対応していました。その経験から言えるのは、「暫定球」を知っているかどうかで、ラウンドの雰囲気が全然違うということです。
ボールが曲がりそうなら、打った瞬間に暫定球の宣言をする。これだけでラウンドの速さが変わります。
今日からできること
- 打つ前に「曲がったかもしれない」と感じたら、迷わず「暫定球を打ちます」と同伴者に宣言する
- ボール探しは同伴者と協力して行い、2〜3分経ったら見切りをつける
- 初心者のうちはロストボールが多いため、安価なボールを多めに持参する
③グリーン上での動きが遅い
グリーン上は、スロープレーが最も目立つ場所です。
パットラインを読む時間が長すぎる、マーカーを置く・拾うのに時間がかかる、次のホールへ移動するのが遅い——これらがすべて重なると、一つのグリーンだけで5〜10分のロスが生まれます。
私がキャディとして働いていた頃、グリーン上での動きを見るだけで「このお客様はゴルフに慣れているかどうか」がすぐにわかりました。慣れているゴルファーは、前の人が打っている間にラインを読み終えています。自分の番が来たらすぐに打てる状態で待っているのです。
グリーンでは、自分の番でないときも「次は何をするか」を考え続けることが大切です。
今日からできること
- 「遠い人から先に打つ」ルールを覚え、自分の番を事前に把握しておく
- パットラインは前の人が打っている間に読んでおく
- 全員がホールアウトしたらすぐに次のティへ移動し、スコアはティ横で記入する
まとめ:スロープレーは「知識」で防げる
スロープレーは、性格や運動能力の問題ではありません。「準備する習慣」と「コースの流れを意識すること」で、誰でも改善できます。
今回ご紹介した3つのポイントをまとめると、
- クラブ選びは「即決」する習慣をつける
- ボールが曲がったらすぐ「暫定球」を宣言する
- グリーン上は「次の準備」を常に考えながら動く
この3つを意識するだけで、同伴者からの印象は大きく変わります。そして何より、自分自身が焦らずにプレーできるようになり、ゴルフがもっと楽しくなるはずです。
「もっと具体的に教えてほしい」「自分のラウンドを振り返りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。


コメント