「もうちょっと早く回ってください」とマーシャルに声をかけられた経験はありませんか?コースに出るたびに後ろの組がぴったり詰まってきて、急かされて余計にミスが増えて、スコアもメンタルもボロボロ──。スコアより前に「ペース」で評価されてしまうのがゴルフの怖いところです。
こんにちは、キャディ歴11年・現役ゴルファーのまめひよです。私自身も初めてのコースでは、後ろの組のドライバーの音にビクビクしながら走り回り、結局その日は何を打ったのか覚えていないほどでした。
この記事では、元キャディとしてカートに乗りながら数えきれないほど見てきた「スロープレーになる人の共通点」を3つ、具体的なエピソードとセットで解説します。読み終わる頃には、明日のラウンドから後ろを気にせずプレーできる手応えが得られるはずです。
原因1:1ホールごとに「クラブを取りに往復」している
スロープレーになる初心者の方の8割は、ここでつまずいています。ティーショットを終えて、自分のボールのところまで歩く(or カートで移動する)。そこで初めて「あ、何番で打とう」と考えて、クラブを取りに戻る。グリーン手前まで来てまた「アプローチウェッジ忘れた」とカートまで戻る。この“往復”の積み重ねが、1ホールあたり3〜5分のロスを生みます。
私がキャディについていたお客様で、スコアは100切りレベルなのに毎回ハーフ2時間半かかってしまう方がいました。原因はまさにこれで、「自分の球までクラブを持って歩く」という発想がなかったのです。一方、110を叩いても2時間以内で回りきる初心者の方もいて、その方は最初からクラブを2〜3本まとめて持って歩いていました。ペースを決めるのはスコアではなく“動線”です。
解決策:候補を2〜3本まとめて持っていく
自分のボールに向かうとき、「絶対これ」と1本に絞らなくて構いません。たとえば残り130ヤードなら、7番アイアン・8番アイアン・ユーティリティの3本を持っていく。ライを見てから選べばいいのです。グリーン周りなら、パター・サンドウェッジ・ピッチングの3本を持っていけば、寄せからパットまでカートに戻る必要がありません。「持ちすぎたら恥ずかしい」と思う必要はゼロ。キャディから見ると、クラブを束で持ち歩く人ほど“慣れている”印象になります。
原因2:ロストボールを3分以上探してしまう
2019年のルール改正で、ボール捜索時間は「5分→3分」に短縮されました。しかし、現場で見ていると、初心者の方ほどこの時間感覚があやふやで、つい4〜5分粘ってしまいます。3分というのは思っているより短く、ラフに入った瞬間にタイマーをスタートさせる意識でちょうどいいくらいです。
私が一緒に回ったお客様で印象に残っているのは、毎ホール林に打ち込みながらも進行が早かった方です。その方は林に入った瞬間、「30秒だけ探して、見つからなければ前進4打ね」と同伴者に宣言していました。プライドより進行を優先するその姿勢に、後ろの組のマーシャルから「あの方プロですか?」と聞かれたほどです。“諦めの早さ”は、コース上では立派なマナーです。
解決策:暫定球を打つ習慣をつける
ティーショットでOBの可能性が少しでもあれば、その場でもう1球(暫定球)を打ってください。「もう1球行きます」と一言宣言するだけで、捜索のために戻る時間がゼロになります。最初は気が引けますが、暫定球を打てる初心者は、それだけで“ゴルフを知っている人”として扱われます。暫定球はマナーであり、自分を守る盾でもあります。
原因3:グリーン上で「終わってからスコアを書く」
意外と見落とされがちなのが、ホールアウト後の動きです。最終パットを沈めたあと、グリーン上で立ち止まってスコアカードに書き込み、ピンを戻し、それからカートに戻る──これだと後続の組はティーショットが打てません。グリーンは「次の組が今まさに打ちたい場所」だという意識が大事です。
私がキャディとしてついていた頃、ホールアウト後にグリーン上で世間話を始めるグループは少なくありませんでした。後ろの組はティーグラウンドで素振りを繰り返しながらじっと待っている。これは想像以上に心象が悪く、クラブハウスに帰った後で「あの組、遅かったよね」と話題に上がることもあります。
解決策:スコアは次のホールのカートで書く
ホールアウトしたら、ピンを戻して、まずグリーンを離れる。スコアの記入は次のホールに向かうカートの中、または次のティーグラウンドで自分の打順を待つ間に済ませます。これだけで1ホール30秒〜1分の短縮になり、ハーフで5〜10分の差が出ます。「グリーンを早く空ける」は、初心者が今日からできる最高のマナーです。
まとめ:ペースが整えばスコアも整う
スロープレーになる原因は、技術ではなく“段取り”です。クラブをまとめて持つ、3分で諦める、グリーンを早く空ける──この3つを意識するだけで、後ろの組から急かされる感覚は驚くほど消えていきます。そして不思議なことに、ペースが整うとスコアも自然と良くなります。焦らず、迷わず、自分のリズムでプレーできるようになるからです。
「次のラウンドが不安」「自分のペース感が合っているか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。元キャディだからこそお伝えできる、その方に合った具体的なアドバイスをお届けします。


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